こんにちは。Pochyです。
前回(第1話)は、読者の方からご提供いただいた令和7年 コンクリート診断士試験の復元論文をもとに、添削総評をお届けしました。
メカニズム説明への偏り、数値的根拠の不足、調査目的の省略、一文の長さ——これら4つの「共通するクセ」が、多くの答案に見られるという話でした。
第2話からは、より具体的なテーマに絞って、答案のクセと対策を掘り下げていきます。
今回取り上げるのは、「設問分割ミス」です。

このパターンの正体
コンクリート診断士の記述式では、「劣化要因として考えられるものを①〜④それぞれについて述べよ」といった、項目を分けて解答することを前提とした設問がよく出題されます。
ところが、実際の答案を見ていくと、①と②を一緒くたに説明してしまったり、③と④を一つの文章にまとめて書いてしまったりするケースが少なくありませんでした。今回は、この「設問分割ミス」について、2件の答案から見えてきたことをお伝えします。
ケース1:③と④を一緒に記述してしまったケース
ある答案では、劣化要因を問う設問において、①と②はそれぞれ独立して丁寧に説明されていたものの、③と④に該当する部分がひとつの文章としてまとめて書かれていました。
設問文には「③、④はそれぞれ分けて記述すること」といった趣旨の指示が明記されていたにもかかわらず、この答案では両者が混在した記述になっており、結果として「③はどこからどこまでで、④はどこからどこまでなのか」が読み手にとって判別しにくい構成になっていました。
内容自体が的外れというわけではありません。しかし、採点者の立場からすると、指示通りの構成になっていない答案は、どうしても「読みにくい」「対応関係が不明瞭」という印象を持たれやすいのです。特に記述式は限られた時間の中で採点されるため、構成の分かりやすさそのものが評価に影響しうると考えられます。
ケース2:①②、③④とそれぞれをまとめてしまったケース
別の答案では、さらに踏み込んで、①②を一つの段落で、③④をもう一つの段落でまとめて説明する構成になっていました。
内容としては、それぞれの劣化要因についてしっかりと考察されており、知識不足があったわけではありません。むしろ、劣化メカニズムの理解という点では評価できる内容でした。しかし、「①は何、②は何、③は何、④は何」と個別に答えることが求められている設問において、この構成は設問の指示への対応という観点でマイナス評価につながりかねないものでした。
なぜこのミスが起きるのか
これは推測にはなりますが、おそらく次のような背景があると考えられます。
– 劣化要因同士が実際に関連し合っている(例:水の侵入と疲労が同時に進行している)ため、書いていくうちに自然と文章がつながってしまう
– 制限文字数の中で、項目ごとに改行や番号を振ると文字数を消費してしまうという意識が働く
– 本番の時間的プレッシャーの中で、「内容は書けているから大丈夫」という判断が先行してしまう
いずれも理解できる事情ですが、採点者が見ているのは「知識があるかどうか」だけでなく、「設問の要求に正確に応えられているかどうか」でもあります。
対策:書く前に「設問の型」を確認する
このミスを避けるためのシンプルな対策は、答案を書き始める前に、設問がいくつの項目を求めているかを明確にし、その数だけ見出しや番号を答案用紙上に先に書いてしまうことです。
例えば「①〜④それぞれについて述べよ」であれば、答案用紙に先に「①」「②」「③」「④」という番号だけを配置してから、それぞれの空欄を埋めていく。これだけで、内容が混ざってしまうリスクを大きく減らせます。
内容がどれだけ優れていても、設問が求めている「型」に沿っていなければ、その良さは十分に伝わりません。
次回は、逆に「詳しく書きすぎてしまう」ことで設問の意図からずれてしまうパターンを取り上げます。
次回の投稿もお楽しみに。
第一話は下のリンクからご覧ください。👇


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