こんにちは、ポッキーです!
今回は、2026年度のコンクリート診断士試験に合格された方から、合格体験記と記述式問題の復元答案をご提供いただきました。
今回ご紹介する合格者は、森林環境学部出身の方です。
4月から勉強を始め、約300時間の学習を積み重ねて合格されました。
どのような教材を使い、どんな順番で勉強を進めたのか。そして、記述式問題にどのように取り組んだのか。
これから受験する方にとって、参考になる内容がたくさんあります。
さらに今回は、実際に受験された方の2026年度問題Ⅱの復元答案も掲載します。
合格者が実際にどのような文章を書いたのかを確認できる貴重な資料です。これから記述式対策を進める方は、ぜひ参考にしてください。

※今回の復元答案は、合格者ご本人が試験後に復元したものです。公式の模範解答ではなく、個別の採点結果も確認できていません。その点をご理解のうえ、学習の参考資料としてご覧ください。
1.合格者の体験記|約300時間で合格するまで
ここからは、合格者ご本人の体験を紹介します。
私のコンクリート診断士試験・合格体験記
私は森林環境学部出身で、一般的な土木系の学部とは異なる経歴から、コンクリート診断士試験に挑戦しました。
勉強を始めたのは4月です。試験までの期間は限られていたため、教材を活用しながら、択一式と記述式の両方を勉強しました。
最終的な勉強時間は、約300時間でした。
使用した教材と費用
今回使用した教材は、次の3つです。
- コンクリート診断技術(eラーニング)
- 『この1冊で合格!コンクリート診断士 2026年版』(建築資料研究社)
- 『コンクリート診断士試験重要キーワード130』(日経コンストラクション)
費用は、eラーニングが約22,000円、受験料が16,170円、書籍代が約9,000円で、合計約47,170円でした。
4月から7月までの勉強方法
4月:基礎知識の習得
まずは、コンクリート診断士試験に必要な基礎知識を学びました。
5月:択一式対策と記述式の勉強
択一式の勉強を進めながら、記述式の答案作成にも取り組みました。
6月:問題演習
学んだ知識を使って問題を解き、理解を深めました。
7月:過去問を中心とした試験直前対策
試験直前は、過去問を中心に本番を意識した勉強を進めました。
最終的に、択一式は30問中24問正解、正答率80%という結果でした。
記述式の勉強で意識したこと
記述式の勉強では、単に劣化現象や補修工法を覚えるだけでなく、次のことを意識しました。
- なぜ、この劣化が生じたのか。
- なぜ、この調査や対策を選ぶのか。
- 問題文に書かれている情報を、できるだけ答案に反映すること。
勉強を進める中で、問題文の情報を使って理由を説明することの大切さを意識するようになりました。
また、7月中旬にはポッキーさんのブログを見つけ、記述式の答案の書き方について学びました。
それまで勉強してきた知識を、実際の答案にどのようにつなげていくのかを考えるうえで、参考になりました。
これから受験する方へ
コンクリート診断士試験は、これまでの専攻や経歴だけで決まるものではありません。
必要な知識を身につけ、問題演習を重ね、記述式では「なぜそう判断するのか」を考えることが大切だと思います。
これから受験される方も、自分に合った勉強方法を見つけて、最後まで諦めずに取り組んでください。
2.合格者の2026年度・復元答案を公開します
ここからは、今回ご提供いただいた2026年度コンクリート診断士試験・問題Ⅱの復元答案を掲載します。
実際の答案を読むときは、文章をそのまま覚えようとするのではなく、どのような情報を使い、どのような判断をしているのかに注目してみてください。
問1 変状の原因に関する復元答案
1の変状について、表1より床版防水が設置されていないことから、間詰コンクリートの界面から水が侵入し表面被覆の膨れ・剥がれが生じたと考えられる。
2の変状について、表1より表面被覆の上塗りに耐候性に乏しいポリウレタン樹脂が用いられていることによってチョーキングが生じたと考えられる。
3の変状について、写真2と表1より1の変状と同様に床版防水が設置されていないことと、舗装のひび割れより間詰コンクリートの界面に水が侵入したことで生じたと考えられる。
4の変状について、写真2より橋軸直角方向のひび割れであること、ひび割れの密度が小さく小規模であることから、間詰コンクリートを打設した際の乾燥収縮によるものであると考えられる。
(310字)
問2 将来の鋼材腐食に関する復元答案
S1について、図3より2061年時点での全塩化物イオン濃度は1.60kg/m³である。表1より、本橋梁の腐食発生限界塩化物イオン濃度は1.7kg/m³であり、将来予測はこれを下回るため、2061年時点でS1において鋼材腐食の可能性は低いと考えられる。
S2について、式1より2061年における全塩化物イオン濃度は2.05kg/m³と求められる。S1と同様に本橋梁の腐食発生限界塩化物イオン濃度は1.7kg/m³であり、将来予測はこれを上回るため、2061年時点でS2において鋼材腐食の可能性は高いと考えられる。
(209字)
問3 今後35年間供用するための対策に関する復元答案
本橋梁を今後35年供用するため、S1とS2についてそれぞれ対策を講じる。
S1については1の変状と表1より、水の侵入による変状の促進を防止する目的で床版防水を施工する。また、2のチョーキングについては経過観察とする。
S2について、この橋梁が道路ネットワーク上重要な一般国道を構成していることと、表1よりアルカリシリカ反応の可能性が極めて低いと考えられることから、構造力学上の観点より脱塩を行うことで内部の塩化物イオン濃度を低下させる。また、S1と同様に床版防水を施工し、水の侵入を防ぐ。
上記の施工完了後、本橋梁について定期的に経過観察、必要に応じた調査を引き続き行うものとする。
(284字)
合計:803字(設問番号を含む)
3.復元答案を読むとき、どこに注目すればよいのか?
ここからは、掲載した答案を参考に、受験者の皆さんに注目してほしい点を簡単に整理します。
これは公式の採点講評ではなく、ポッキーが学習上のポイントとして整理したものです。
問1:問題文の情報を使って原因を説明している
問1では、床版防水の有無、舗装のひび割れ、表面被覆の材料、ひび割れの方向や規模などの情報が使われています。
例えば、床版防水が設置されていないという情報を、表面被覆の膨れ・剥がれと結び付けています。
ここで参考にしたいのは、変状の名称だけを書くのではなく、問題文にある情報を根拠として原因を説明している点です。
ただし、実際の構造物では複数の原因が考えられる場合もあります。与えられた情報から判断できる範囲を意識することも大切です。
問2:数値を比較して判断している
問2では、将来の全塩化物イオン濃度と腐食発生限界塩化物イオン濃度を比較しています。
復元答案では、S1は1.60kg/m³で限界値の1.7kg/m³を下回り、S2は2.05kg/m³で限界値を上回ることから、それぞれ鋼材腐食の可能性を判断しています。
数値を示すだけでなく、その数値が判断基準と比べてどのような意味を持つのかを説明している点に注目してみてください。
問3:対策の目的を説明している
問3では、床版防水や脱塩などの対策が記述されています。
工法名だけを覚えるのではなく、何を防ぐための対策なのか、なぜその工法を選ぶのかを考えることが重要です。
また、施工後の経過観察や必要に応じた調査についても記述されています。
なお、ここで紹介した工法が公式に正解と認定されたわけではありません。実際の採点結果が分からないため、復元答案の文章や工法選定を、そのまま合格答案の基準と考えないようにしてください。
4.自分の答案と比べてみよう
ここまで復元答案を読んだら、ぜひ自分の答案と比べてみてください。
単に「合格者の答案はよく書けている」と感じるだけではなく、自分の答案に何が足りないのかを考えることが大切です。
次の6項目を確認してみましょう。
① 問題文の情報を使っているか?
問題文に示された変状、材料、環境条件、数値などを答案に反映できていますか?
② 診断の根拠があるか?
「〇〇が原因である」と書くだけでなく、なぜそう判断したのかを説明できていますか?
③ 劣化機構がつながっているか?
劣化原因、変状の発生、劣化の進行を筋道立てて説明できていますか?
④ 将来予測に根拠があるか?
将来の劣化を説明する際、数値や現在の状態などの根拠を示していますか?
⑤ 対策が原因に対応しているか?
選んだ対策が、問題文から判断した原因に対応していますか?
⑥ 補修後の再劣化や維持管理まで考えているか?
設問の要求に応じて、施工後の確認や継続的な点検についても検討できていますか?
チェックが付かなかった項目があれば、そこが今後の学習課題になるかもしれません。
この6項目は、公式の採点基準ではありません。自分の答案を見直すためのチェックリストとして活用してください。
5.今回の合格体験記から、これからの受験者が参考にできること
今回の合格者の体験から、参考にできることを3つ整理します。
① 学習計画を立て、順序よく勉強する
4月から7月までの限られた期間に、基礎知識、択一式対策、問題演習、過去問対策と進めています。
勉強時間だけを目標にするのではなく、今の自分に何が必要なのかを考え、学習内容を整理してみましょう。
② 記述式対策を後回しにしない
択一式の知識を増やすことは重要ですが、記述式は実際に答案を書く練習も必要です。
問題文を読み、根拠を整理し、文章にする。この練習を早めに始めることが大切です。
③ 答案の文章だけでなく、判断の過程を考える
今回の復元答案を読む際も、「この文章を覚えよう」と考えるだけでなく、「なぜこの情報を使ったのか」「なぜこの判断になったのか」と考えてみてください。
その視点を持つことで、過去問とは異なる問題に取り組むときにも、考え方を応用しやすくなります。
もちろん、今回の合格者と同じ教材や学習時間で、必ず合格できるわけではありません。自分の知識や経験、確保できる勉強時間に合わせて、学習方法を調整してください。
6.記述式の答案作成に悩んでいる方へ
今回の記事では、合格者ご本人の体験記と、2026年度の復元答案を紹介しました。
合格者の勉強方法や答案は、これから受験する方にとって貴重な参考資料です。
ただし、実際の試験では、問題文に示される条件や設問の要求に応じて、自分で考え、答案を作らなければなりません。
私のブログでは、コンクリート診断士の記述式対策として、答案の構成を整理するテンプレートや、過去問の分析、劣化要因別の解答例などを紹介しています。
テンプレートは、何を書くべきかを整理するための道具です。今回紹介した6項目のチェックリストは、自分の答案を見直すための道具です。
これらを組み合わせながら、問題文の情報を使い、根拠を持って判断し、自分の言葉で答案を組み立てる練習をしてみてください。
記述式対策をさらに深めたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
【2026年版】記述式が苦手でも合格できる!220人以上が使ったコンクリート診断士テンプレート
最後に
今回、合格体験記と復元答案をご提供いただいた合格者の方に、心より感謝申し上げます。
実際にどのように勉強し、どのような答案を書いたのかを知ることは、これから受験する方にとって大きな参考になると思います。
この記事が、記述式の勉強方法に悩んでいる方や、答案の書き方を改善したい方のお役に立てば幸いです。
受験される皆さん、試験本番まで一歩ずつ頑張っていきましょう!


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