【記述問題で必ず問われる理由】コンクリート診断士が劣化機構毎に解説

必ず問われる理由をテンプレート化 コンクリート診断士

皆さん、お疲れ様です。

記述式問題で活用できる情報です。

記述式問題でよく問われることが多いフレーズがあります。それは、「なぜ、A部よりもB部の方が著しく劣化したのか?」というものです。この問いは、明確に答える必要があり、これを間違って回答してしまうと基準点に届きません。

この記事では、劣化機構毎に促進する条件をまとめました。

 

人物像私は、コンクリート診断士、コンクリート主任技士を取得しています。

特に、コンクリート診断士の取得を目指している方に有益な情報を発信すること目指しています。

 

この記事では、「なぜこの部位で著しく劣化したのか」という理由をテンプレート化しました。なので、実際の問題で利用できるものになっていますので活用してください。

劣化機構である、塩害、中性化、アルカリシリカ反応、凍害、床版疲労の5つについて想定できる劣化促進理由を列挙しました。

ぜひ最後までご覧ください。

劣化が促進した理由をどう活用するか

 

これから各劣化機構で促進した理由を3~6つ列挙しています。この中から問題文の写真や調査結果と類似したものを選択して実際の問題でも活用してください。選択する個数は説得できるもの全て挙げる必要があります。

具体的に例を出します。2021年度の問題Ⅱの問1になります。A部において変状が局部的に進行した理由を述べる場合です。この記事の床板疲労の中から選択します。

A部は、交通量が増加したこと。防水層がないため水の影響を大きく受けたこと。塩害の可能性があること。施工不良があったことで床版が土砂化したのではないか推察する。

という具合で選択番号は①、②、③、④です。この後、時系列で劣化したメカニズムを具体的に述べていくことで説得力を増すことができます。

このように活用してください。

塩害

コンクリートの配合や建造日は同じ条件としています。

塩害 劣化進行理由

①~⑥を導き出した理由

問題文に記載されそうな環境条件および調査結果等を想定しています。

①:海中と飛沫帯を比べた場合を想定。(環境条件)

②:海からもしくは凍結防止剤が溜まりやすい、付着しやすい場合を想定。(環境条件)

③:補修歴があり、補修した側が激しく劣化した場合を想定。(調査結果)

④:調査結果で中性化しており、中性化深さが進行している場合を想定。(調査結果)

⑤:初期欠陥が明らかに多い場合を想定。(施工条件)

⑥:施工不良がある場合を想定。(施工条件)

中性化

コンクリートの配合や建造日は同じ条件としています。

中性化 劣化進行理由

①~⑥を導き出した理由

問題文に記載されそうな環境条件および調査結果等を想定しています。

①:湿度が高い場合と50%程度を想定した場合。(環境条件)

②:東面と南・西面を比べた場合を想定。(環境条件)

③:雨がかりありとなしを想定した場合。(環境条件)

④:水中と気中を比べた場合を想定。(環境条件)

⑤:初期欠陥が明らかに多い場合を想定。(施工条件)

⑥:施工不良がある場合を想定。(施工条件)

アルカリシリカ反応

コンクリートの配合や建造日は同じ条件としています。

ASR 劣化進行理由

①~③を導き出した理由

問題文に記載されそうな環境条件および調査結果等を想定しています。

①:雨がかりがあったり、構造物背面から水の影響がある場合を想定。(環境条件)

②:山間部の冬季に、凍結防止剤が散布され、それを含んだ水が垂れている部位を想定。(環境条件)

③:調査結果より高温、高湿度であることを想定。(調査結果)

凍害

コンクリートの配合や建造日は同じ条件としています。

凍害 劣化進行理由

①~④を導き出した理由

問題文に記載されそうな環境条件および調査結果等を想定しています。

①・②:南面で水の影響があり、凍結融解を繰り返している環境下を想定。(環境条件)

③:初期欠陥が明らかに多い場合を想定。(施工条件)

④:凍害以外に劣化機構の可能性がある場合を想定。(いずれかの可能性がある)(調査結果)

床版疲労

コンクリートの配合や建造日は同じ条件としています。

床版疲労 劣化進行理由

①~⑥を導き出した理由

問題文に記載されそうな環境条件および調査結果等を想定しています。

①:交通量の増加や大型車両の混入率が多くなったことを想定。(環境条件)

②:橋面に防水層がなく、加えて、縦断および横断勾配で雨水が床版上で滞留しやすい状況を想定。(構造的特徴)

③:昭和39年以前の床板厚は180㎜と薄い、または、施工不良で床版厚が薄くなっていることを想定。(設計条件)

④:床版疲労以外に劣化機構の可能性がある場合を想定。(いずれかの可能性がある)(調査結果)

⑤:主桁の拘束を受け乾燥収縮によるひび割れが構造的に発生しやすい部位を想定。(構造的特徴)

⑥:PC構造物で、変位(たわみ)等が大きくなっている場合を想定。(調査結果)

まとめ

最近の記述式の傾向として、「なぜ、この部位で著しく劣化しているのか」を問われています。これは、問題文内の写真や調査結果から想定しなければなりません。この答えを導くためには、劣化機構のメカニズムを理解することが絶対条件になります。

今回、劣化機構毎に劣化促進した理由を列挙しました。この中から最低2~3つ程挙げることをお勧めします。また、複合劣化の場合は3~4つ程(複合劣化なので単独理由より多く列強する)挙げることで説得力が増します。

ご参考にしてみて下さい。

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