コンクリート診断士試験で皆さんが悩んでいる記述式問題について書いていこうと思います。
「原稿用紙に書く前に余白を使って要点の整理をしてください。とよく言われますが、具体的どうやって整理すればいいの?」と悩んでいませんか?
私は、コンクリート診断士、コンクリート主任技士を取得しています。
特に、コンクリート診断士の取得を目指している方に有益な情報を発信すること目指しています。
今回の記事は、この整理についてのテンプレートを作成しましたので、情報共有したいと思います。
具体的には、この紹介するテンプレートは、劣化機構を判断するためのものです。つまり問1に対応するものです。問1で分かりやすく的確な劣化機構を判断することで、次の問2からの調査方法や補修補強方法をスムーズ記述できるようになります。
テンプレートの紹介
それでは、テンプレートを紹介します。
テンプレートの説明
問題文には、概要説明、写真、絵、構造物の概要、構造物の模式図、変状写真、調査結果などの条件が記載されています。この条件を基に劣化機構が何なのかを推測しなければなりません。その時に、余白を使って整理すると思います。でも、結構、問題文を整理できていないように思えます。それはなぜか?というと、箇条書きにただ書いているだけなのです。ここを整理してまとめることで、いろいろな可能性がある劣化機構から主要なものを絞り出すことができます。
分かっているけど、結構、練習しないとできません。
このテンプレートがあれば機械的に列挙するだれで、劣化機構を特定することができます。
活用方法を説明
①:問題に記載されている必要事項を列挙します。
②:①から予想される劣化機構を列挙します。
③:②で列挙した理由を書きます。
④:②の劣化機構から総合的に判断した劣化機構を書きます。
⑤:④の理由を書きます。
活用例
活用例として、2019年の問題Ⅱについて整理してみました。
この様なイメージです。図解にするとわかりやすくなります。
一度活用してみて下さい。
もし、このテンプレートを使って、劣化機構③、⑤の理由を書くことができないのであれば、それは、まだ、記述式を解くための知識がないということです。
それが把握できただけでも一歩前に進んだことになります。一歩前に進んだならまずは、メカニズムを勉強してみましょう。理由が書けないのは、劣化機構のメカニズムが理解できていないからです。
劣化機構別の補修・補強工法の選定
劣化機構が推定できたら、劣化過程と調査方法を考えなければなりません。
劣化過程は、非常に大事です。それは、どの補修方法にするのか。または、どんな補強方法にするのかが概ね決定してしまうからです。なので、ここは必ず覚えて下さい。そして、補修補強方法の選定についても根拠を持って説明できるようにしましょう。数ある中からなぜこの工法を選定したのかという理由は必ず必要になります。
劣化過程ごとに簡単に補修方法を表にしました。この表でまずは、構造物がおかれている状況(環境条件)を想像し、そして、今後の供用年数を考慮した上で、補修方法を自分なりに選定してみて下さい。それができたら、次は、どんな材料を使用することが最適なのかを考えてみて下さい。それができたら、文書にしてみて下さい。
黄色で、着色した箇所は、主に加速期です。なぜ、着色したかというと問題では、この辺りの劣化過程が概ね出題されているからです。重点的に覚える必要があると思います。
まとめ
コンクリート診断士の記述式問題には、必ず余白部分がありますので必ず使用してください。
そして、そこには、今回した内容を整理し変状の原因を推定してください。
劣化機構が判断できたら、次は劣化過程です。必ず劣化過程を述べて下さい。この劣化過程を述べることで、採点者は、「なるほど。なのでこの補修補強工法を選定したんだ。」と最低限、理解してくれます。
そして、合格論文にするには、劣化過程プラス、施工条件、環境条件を述べ、詳細としては、どんな材料が適しているのかを述べましょう。
余白は、あなたの考えを整理できる重要なものです。必ず丁寧に書いてみて下さい。
今回は、以上になります。
私のブログでも各劣化機構に関する記事を挙げていますので、参考にしてみて下さい。
まずは、中性化からどうぞ。
コンクリート診断士の合格に必須 コンクリートの劣化原因である中性化を解説
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