みなさん、建物や道路、ダム等、たくさんの構造物がありますが、
「どうやってきちんと決められた場所に正確に作られているか」
ということを疑問に思ったことはありませんか?
私はありました。
どうやって、「この場所に橋を架けたのだろうか」と小さい頃に思ったことがあります。
建設業に進んだ理由の一つは、この疑問を知りたかったこともありました。
今回は、工事現場でどのように正確に物を作っているのかを説明していきたいと思います。この説
明を聞くことでもっと、建設業に興味が湧いてくると思います。
建設業の人たちはどうやって物を作っているのか
まず、線形計算書が必要です。これは、何かを説明します。
線形計算書を読み解く
まず、「線形計算とは何ぞや」という事を説明します。
調べてみると下のような記載でした。案の定、よくわからないものでした。
(^^;)
線形計算書というのは、簡単にいうと、構造物の高さ、位置関係が記載されている計算書の事です。
少し語句の説明をします。高さとは、平均海面からの高さの事です。いわゆる標高の事です。よく標高3776m(富士山)といいますが、山の高さを表すのに使用します。これは、建設業でも同じように使います。ただし、単位は、ミリメートルまで記載があります。厳密にいうと0.001㎜程まで書かれています。(^^;)
次に位置関係を説明します。簡単にいうと、緯度経度のこのです。
物を作るためには、標高と緯度経度の情報があれば、どんな構造物でも正確に作ることができまます。
イメージがつきましたか…(^^)/
測量を行う
次は、この情報を知った上で、実際の作る場所に印をする作業になります。
いわゆる測量です。
測量とは、どういうことでしょうか。測量の意味を調べてみました。
とあります。さっきの線形計算書よりはイメージがつくと思います。
具体的な測量機械は、光波とレベルです。光波は、高さも出すことができますが、誤差が大きいので、主には位置をだすことに使用します。レベルは、高さをだすことができます。
よく建設現場で何かを覗いている姿を見たことがあると思いますが、このどちらかをみています。
この作業はかなり重要です。この測量が間違っていれば物を作ったとしても、やり直さなければなりません。つまり、「壊す」ということです。
そのため、この作業が現場監督にとって一番緊張するところでもあり、一番時間をかけるところでもあります。ここできっちり測量ができるかどうかで、作業員さんからの信頼を得られるかどうかもかかっています。ここで躓くと、最後まで、作業員さんからの信頼を得られません。こういうこともあり、この測量という作業は、現場監督としての力量を図られる大事な作業となります。(^^;)
基準になる高さ(標高)や緯度経度は、日本中にたくさんあります。そのため、わざわざ平均海面から高さをレベルで出していく作業はしなくても大丈夫です。近くに基準となるものが存在します。いわゆる、1~4級の基準点および水準点というものです。この点には高さや緯度経度が記されています。
設計図の位置を出す
次に設計図面をもとに構造物の印をだします。
この基準点と水準点を使用して、何もない場所に印をだしていきます。
まず、光波で必要な個所を印をしていきます。印は、ピンなどを使用します。釘みたいなもので
す。その後、レベルでその印の現状の高さ(標高)を測ります。
具体的な手順
仮に現状の高さが、13.234mで、作る構造物の高さが10.200mとすると、現状より、3.034m低い場所に作ることが必要になるので、土を掘る必要があります。そして、どれくらいの幅を掘る必要があるかについては、設計図面でそこのどれくらいの大きさも物を作らなければならないかを確認してそれより大きめに掘っていきます。
掘り終わると、この場所にコンクリートを打つと仮定すると、次は正確なコンクリート構造物の位置が必要になります。位置をだすためには光波を使用しその位置をだしてやります。位置だしが終わると、その位置に型枠を組みます。型枠組み立てが完成すると今度は、どれくらまでコンクリートを打つ必要があるかを型枠に印す必要があります。ここで使用する機械は、レベルです。レベルを使って高さ(標高)をだしてやります。このような詳細がかかれている図面が設計図面になります。
この設計図面は、ミリメートルまで寸法が書かれています。構造物はミリメートルで作っています。驚きではないでしょうか(*_*)
最初は、この図面を見ることに苦労します。なぜかというと、実際につくる構造物は、3次元です。立体的です。でも、図面は紙で2次元(平面)で描かれています。そのため、最初は実際の構造物をイメージすることがなかなかできません。イメージができないのでどうしていいかわからなくなります。(^^;)この辺りもあるあるです。若い時はみんなこんなものです…。心配いりません。
でも、最近は、3次元で図面がつくられるようになってきています。パソコン上では立体的にみることができます。この様な工事は、全国ではまだないのですが、これからはどんどんそこ方向に変わってきます。楽しそうですね。(^^)/
他にも建設業は、変わっていきます。VR技術もこれから普及し始めると思います。VR技術とは、
コンピュータが作り出した空間や世界を体感でできる技術。主にヘッドセット、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、VRゴーグルと呼ばれるデバイスを装着することで、仮想空間に入り込んだような体験を可能にします。ゲーム・エンタメで普及してきましたが、教育訓練にも大きな効果があり、近年ではビジネスでの活用も広がっています。
この技術により、測量では、説明した機械を使用して少なくとも2人が作業します。機械も少し重たいです。でも、VR技術は、現場でグラスなどをかけることで、容易に測量ができるようになります。バーチャルリアリティ(VR)技術とモーションセンサー技術を組み合わせ、仮想空間に建設現場を具現化することで、1人で位置や高さをだしてやることが可能になります。
まとめ
工事現場でどのように正確に物を作っているのかを説明してきました。それは、光波とレベルという機械で、高さ(標高)と緯度経度をだすことができます。この元になる資料が線形計算書です。そして、構造物の詳細は設計図面です。この3つを使用することで、正確な構造物ができあがるということです。
これからの建設業は面白いと思います。それは、少し説明しましたが、もうすでにVR技術のような技術があるということです。実際、バックホウのような機械は、無人で操作できるようになっています。測量もドローンでできるようになっています。これまで、汗水垂らしながらやっていた作業はこれからどんどんなくなってくることは間違いないと思います。
いろいろある業種の中で一番遅れをとっていた建設業は、AI技術により急速に変わろうとしています。
本当に楽しみです。(^^)/
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