近年、コンクリート診断士の記述式問題の傾向は、一つの劣化要因だけではなく、複合的な劣化要因が多くなっています。
その傾向は、
簡潔に言いましたが、2019年、2020年では再劣化の要因も把握しなければならない問題となっています。
このことから、2022年も同様に複合劣化に関する問題が出題されることは間違いないのではと思っています。
では、複合劣化の問題をどういう手順で論じればいいのでしょうか?
結構、悩んでしまったりしていませんか?
こう言った悩みに答えようと思います。
私は、コンクリート診断士、コンクリート主任技士を取得しています。
特に、コンクリート診断士の取得を目指している方に有益な情報を発信すること目指しています。
私も記述式には結構悩みながら何年も思考錯誤し取り組んできました。
その結果、皆さんにこう言った手順で書いていけば合格するといった答えが出ましたので、共有致します。
それは、
順序立てると言うことです。
それは、劣化現象が生じた時系列を整理し、論じると言うことです。
具体的に説明します。
複合劣化の記述式問題を解く手順
例として、2021年の問題をで解説していきます。(※皆さんは、2021年の問題Ⅱを用意してください)
この問題では、施工不良が第一の要因であることを把握しなければなりません。なぜなら、床版厚が設計厚よりも薄くなっていることが劣化要因だからです。つまり、この施工不良が無ければ、この劣化をもっと先に抑制できたかもしれないということです。
では、次の劣化要因はなんでしょうか。それは、橋面防水層が施工されていなかったことです。仮に施工されていれば、舗装から浸透してきた水(塩分を含んだ水など)を遮断することができていました。
さらには交通量の増加です。建造当時より大型車混入率が30%も多くなっています。
この環境化により鉄筋が腐食したことで、床版の連続性が低下したと考えられ、写真1の土砂化となったと推察することができます。
この環境の継続が写真2の床板下面にひび割れが発生する結果となったと推察されます。
ここからは、この土砂化が進行した理由を考えていきます。
ここで一度時系列で整理します。
①初期欠陥があった。(施工不良)
③橋面防水層が施工されていなかった。
②交通量の増加があった。(大型車混入率30%)
④冬季には、凍結防止剤の散布があった。
⑤このため、鉄筋が腐食した。
⑥この状況より、写真1のような土砂化を招いたと考えられる。
⑥さらにこの環境条件が継続したことで、床版の連続性が低下し床版下面にひび割れが生じたと推察することができる。
これを論じてみます。
どうでしょうか?
時系列で論じることで、わかりやすくまとめることができたのではないかと思います。
まとめ
複合劣化の問題は、今年も出題される可能性がかなり高いと思っています。
記述式で論じる手順としては、時系列でまずは、整理することが大切です。
整理することができたら、それに肉付けを行い、わかりやすい文章にします。
以上です。
さらに記述式の書き方を知りたいと思った方に向けて、こんな記事も書いています。自信を持って紹介できるものになっていますので、併せてご覧ください。
【模範解答】記述式のテンプレートをコンクリート診断士が紹介!
今年のコンクリート診断士問題の予想もしています。ぜひ参考して下さい。
【2022年の予想問題を検証】コンクリート診断士の過去問5年分を分析
試験までかです。私からのアドバイスを一つ紹介しています。ぜひご覧ください。
コメント
練習問題の模範解答を教えていただけないでしょうか。
宜しくお願い致します。
児玉様
お問い合わせありがとうございます。
必須75選の解答のことでしょうか。
それに関しては特に作成しておりませんが、ブログ内の記事を見て頂ければある程度わかる
内容に作成しています。
ただ、私も解答を用意する方が適切だとは感じております。
これが、現在の回答です。
今後とも宜しくお願い致します。 合格を期待しております。