コンクリート診断士は、合格率が15%程度の難易度が高い民間資格です。
この記事では、独学で勉強できるように【化学的侵食】についてまとめています。
そして最後には記述式問題の模範解答を記載していますので最後までご覧ください。
また、私が使った参考書も紹介しています。
こう言った疑問があると思います。
確かにそうだと思います。
でも、これだけ理解していれば大丈夫です。(まとめ に書いていますので)
毎年、2~3問程度の出題があるので、捨てるのではなく、逆に点が取れるように頑張っていきましょう。
積み重ねが第一です。
私は、コンクリート診断士、コンクリート主任技士を取得しています。
特に、コンクリート診断士の取得を目指している方に有益な情報を発信すること目指しています。
それでは、化学的侵食について説明しています。
化学的侵食
化学的侵食の四択問題では、2 問程度出題されるくらいだと思いますが、無視することはできないと思います。確実に2 問取りにいきましょう。
では、化学侵食について説明していきます。
1.メカニズム
コンクリートが化学的作用を受けると、セメント硬化体を構成する水和成物が変質、分解して結合能力を失う劣化現象です。
低温より高温状態の方が侵食が促進されます。
侵食要因
侵食要因は5 つあります。
① 酸類
② アルカリ類
③ 塩類
④ 油類
⑤ 腐食性ガス
侵食要因 それぞれの作用
① 酸類
酸は、コンクリート中の水酸化カルシウムや水酸化ナトリウム等で中和された時に硫酸塩となり劣化させます。
② アルカリ類
コンクリートはアルカリ性ですが水酸化ナトリウムの様な強アルカリの場合は劣化します。
③ 塩類
硫酸塩はコンクリート内の水酸化カルシウムと反応することで二水石こうを生成する。その二水石こうは、アルミネート相(C3A)と反応してエトリンガイトになります。エトリンガイトは、膨張性があります。
④ 油類
鉱物油は侵食しませんが、動植物性の油は侵食させます。成分である遊離脂肪酸が酸としての働きを起こすためです。
⑤ 腐食性ガス
フッ化水素、二酸化硫黄、塩化水素、硫化水素などです。
【補足として】
下水道の侵食問題
エフロエッセンス(エフロ)の発生の原理
DEF という現象
2.劣化過程
潜伏期:変状なし
進展期:コンクリートの骨材が露出する。
加速期:鋼材腐食
劣化期:剥離、剥落が深刻で耐力が低下
※注意すべきは、進展期で骨材の露出があるということです。今まで各劣化を見てきました。中性化、塩害のみ進展期に外観上の変化がないといえます。後は何らかの変状があるということになります。
3.調査方法
正直調査方法はいろいろあると思います。
ただ選択問題なので他の調査方法を理解してば大丈夫だと思います。ただ、化学的侵食の場合は、コンクリートが中性化します。そのため、調査方法としては、中性化の調査方法やコンクリート成分が変化するため、成分変化が特定できるものになります。なので簡易なものでは、フェノールフタレイン溶液、成分特定では、原子吸光光度法、EPMA などになります。
4.補修方法
補修方法の考え方を述べます。
基本的には、進展期の場合は、ポリマーセメントモルタルで補修します。加速期では、侵食範囲の断面修復、鉄筋が錆びていれば防錆となります。なので、他の劣化の補修方法と同様です。また、外部からの侵入なのでシートライニング工法や塗布型ライニング工法も現状回復した後必ず行う方がよいと書かれています。加えて、コンクリート表面を緻密化するようなケイ酸塩系を塗布することもよいのではないかと思います。緻密化は有効だと思います。
補修方法は、自分でシナリオを論理的に述べることが大切です。ただし、補修方法が検討違いであればダメですが、的を外していなければ基準点をとることができると思います。
5.まとめ
化学侵食は、酸類がキモの様に感じています。
この1つの流れを理解していれば化学的侵食は大丈夫です。
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