こんにちは ポッキーです。
コンクリート診断士試験もあと、2ヶ月程に近づいてきました。皆さん!勉強の方は、順調でしょうか?私のブログの見て頂いてる方は、結構早めに試験対策をやられているのではないかと感じています。でも、これから勉強します!という方もいらっしゃると思いますが、是非、このブログを最初から、「コンクリート診断士」のカテゴリーを覗いてみて下さい。関連記事は、35記事ありますのできっとお役に立つことができると思っています。
コンクリートの劣化現象を解説 中性化とはいったい何者なのか?
ブロブの宣伝は終わりにして、この記事はどんな内容なのか説明します。
この記事では、コンクリート診断士の選択問題の傾向を解説していこうと思います。2019年から2022年の4ヵ年の集計をして興味深いことがわりましたので、皆さんに共有したいと思います。
この記事を最後まで読むと、選択問題の傾向をより深く理解できるとともに、試験対策がより実践的に考えることができるようになります。
このブログ内でも選択問題の基準点を深掘りしています。相対評価のため年ごとで基準点が異なっています。しかし、これらを踏まえるても、合格点は7割ほどになります。この基準をクリアしなければ記述式問題を読んでもらえません。
【足切りは存在する】コンクリート診断士の合格ラインが判明!!
つまり、いくらいい論文を書いても不合格になると言うことです。せっかく論文を勉強したのに選択問題ができなければ水の泡になります。
こうならないためにも、過去の傾向をしっかり掴んで、試験に挑みましょう。
私は、コンクリート診断士、コンクリート主任技士を取得しています。
特に、コンクリート診断士の取得を目指している方に有益な情報を発信すること目指しています。
過去6年分の出題傾向
では、本題に入っていきたいと思います。
まず、下の集計を見て下さい。これは、2017年から2022年までの問題の傾向をまとめたものです。ここから読み取れることを項目ごとに考察していきます。
鉄筋コンクリートの変状について
ここで出題頻度が突出している問題は、「具体例からの原因推定・対策」です。具体的には、調査結果や、変状の写真を基に、変状の原因や対策を求める問題です。主に語句を組み合わせての選択になります。
次に出題傾向の多い問題は、「鉄筋コンクリート全般の知識」です。具体的には、鉄筋コンクリートについての全般的な知識を問うものです。これは、コンクリート技士や主任技士でも出題させるような施工に関する知識や、試験方法の理解を求められる問題です。
次は、やはり、「発生原因ごとのひび割れの特徴」、「部材や部位ごとのひび割れの特徴」です。具体的には、初期欠陥および劣化機構特有のひび割れの特徴を問うものです。
まとめると、コンクリートの基本的な知識を理解しており、初期欠陥時や劣化機構で発生するひび割れの形を把握し、基本的な対策が理解できているかを問われます。
劣化のメカニズムについて
この項目で突出しているのは、「凍害」です。次は、「溶出・摩耗」です。少し意外です。ここの読み取れることは、塩害、中性化、ASRよりも多いことが興味深いことろです。なぜでしょうか。私なりに結論を出すとすると、記述式問題のことを見据えているのではないかと推察します。過去の問題をみてみると、この2つの項目は、出題されていません。出題されていても冬季に凍結防止剤を散布しているため、塩害の可能性があるなどの要因で出題されてる傾向です。溶出に関しては、おそらくなかったのではいかと思います。
つまり、上記の傾向は、より複雑となる記述式問題となっている昨今、これからも続くのではないかと考えています。ただし、選択問題では少ない傾向ですが、逆に記述式問題では、塩害や中性化、ASRなど出題させる可能性が高いと言えるため、理解は必須と言えるでしょう。
まとめると、選択問題では、凍害、溶出・摩耗、火害、中性化の順で出題が多いことが解ります。しかし、記述式問題を考慮すると、全般的なメカニズムの理解が必要になります。
調査・試験・診断方法について
次は、調査・試験・診断方法についてです。出題頻度が多い順に、中性化深さ、塩化物イオン含有量、ASRの調査、疲労の調査方法となっています。この辺りは、先ほどと異なり、中性化や塩化物イオン含有量などの問題が多いです。これは、調査・試験・診断方法が多岐にわたるため、出題しやすいのではないかと思います。例えば、式を与えられ中性化深さを求めたり、塩化物イオン含有試験の試験方法を語句の組合せで出題させたり、または、少しマニアックは調査方法等を出題する傾向です。これらも記述式問題とかぶらないように留意できる劣化機構であり、毎年コンスタントに出題されています。全体をみると、満遍なく出題されていることも見て取れます。
調査・試験・診断方法に関する出題頻度が高い項目である中性化深さ、塩化物イオン含有量、ASRの調査、疲労の調査方法についてまとめます。
- 中性化深さの評価方法は出題されることが多い結果です。
- 塩化物イオン含有量の測定方法も頻繁に出題されます。塩化物イオンの試験方法や測定手法、測定結果の解釈に関する問題が出題されています。
- ASR(アルカリ骨材反応)の調査方法についても問われることがあります。ASRの評価方法や診断手法に関する問題が出題されることがあります。
- 疲労の調査方法についても出題されています。疲労の発生メカニズムや疲労試験方法、応力サイクルの解析などについて問われています。
補修・補強、維持管理について
次は、補修・補強、維持管理についてです。出題傾向の多い順は、劣化状況に応じた工法の選択、ひび割れ補修工法、電気防食工法、構造力学・荷重などです。これも上記と同様全般的に出題されている傾向です。補強工法の出題よりも、補修・補強の計画や、補修工法の出題が多い結果となっています。また、維持管理項目でおいては、ライフサイクル・維持管理計画の出題は多いようです。
補修・補強、維持管理に関する項目は以下のようにまとめられます。
- 補修・補強においては、劣化状況に応じた工法の選択が重要です。劣化の程度や原因に応じて最適な補修方法を選ぶことが求められます。
- ひび割れ補修工法も出題の多い項目です。ひび割れの種類や大きさに応じて、適切な補修工法を選択する問題が多くなっています。
- 電気防食工法も重要な出題項目です。適切な電気防食工法について知識が必要とされています。
- 構造力学や荷重に関する知識も出題される傾向があります。構造物の強度や応力解析、荷重の影響などについて理解しておく必要があります。
- ライフサイクル・維持管理計画に関する出題されています。構造物の寿命を考慮し、長期的な維持管理計画を策定する必要があり、予算配分や点検・保守のスケジュールなどの予算の算出が求められています。
2019年から2022年の4年間の詳細な四択問題をまとめ
次に2019年から2022年の4年間の詳細な四択問題をまとめてみました。その結果下の通りです。
この結果からは、このようなことがみえてきました。2019年は、単に4つから選ぶという問題が全体の約60%を占め、語句の組合せと適・不適の組合せは約40%というものでしたが、2022年をみてみると、結果が逆転し、単に4つから選ぶという問題が全体の約40%を占め、語句の組合せと適・不適の組合せは約60%になっています。
ここから言えることは、確かな理解度を求められるようになってきた。と言えるのではないかと思います。売る覚えで試験に臨むものなら返り討ちにされることは間違いありません。ただ、語句の組合せは、1つ2つが分かれば、消去法で問題を絞ることができることもまた、事実です。
いずれにしても、出題の傾向は、変化しています。
まとめ
①特に凍害や溶出に関する問題は多い傾向です。
②基本的なコンクリートの知識も必要です。
③「発生原因ごとのひび割れの特徴」、「部材や部位ごとのひび割れの特徴」は必須です。
④調査・試験・診断方法は、出題頻度が多い順に、中性化深さ、塩化物イオン含有量、ASRの調査、疲労の調査方法となっています。
⑤補修・補強、維持管理は、出題傾向の多い順に、劣化状況に応じた工法の選択、ひび割れ補修工法、電気防食工法、構造力学・荷重です。
6年分からの出題傾向から考察するとこの様な結果が得られました。
出題問題の傾向を理解することはとても重要です。負け戦をしないためにも、確実に守りを固めて下さい。それは、具体的に一つ一つ理解していけばいいのです。そうすることで、記述式問題の基礎知識も自ずと身についてきます。
記述式に必要な記事を書いています。こちらもどうぞ読んでください。
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