【ズバリこれ!!】コンクリート主任技士試験 予想問題 40問(四肢択一形式) 

予想問題40問 コンクリート関連

こんにちは。ポッキーです。

いよいよ試験が近いづいてきましたね。という訳で、本日は、コンクリート主任技士対策として問題を40問作成してみました。少しでも皆さんのお役に立てればと思っています。

コンクリート主任技士試験に向けた問題の主要な分野(材料、施工、品質管理、維持管理など)を網羅する四肢択一形式です。

皆さんもご存じの通り、コンクリート主任技士試験は難易度が高く合格率が13%程度の難関資格であり、その選考基準は、土木学会コンクリート標準示方書やJASS5鉄筋コンクリート工事の内容を理解し応用する能力、および実務経験を踏まえた小論文を記述する能力などが求められます。また、主任技士試験は材料から設計・維持管理まで広範囲にわたるため、問題作成にあたっては、各分野から出題頻度が高く、かつ理論的な理解が求められる項目をバランス良く選択しました。

がんばれ

その問題構成は下の表の通りです。

1. 広範な出題範囲の網羅と各分野の重要事項の抽出

分野
問題作成の意図と根拠
関連情報
I. 材料 (Q1~Q10)
セメントの組成や混和材(特にフライアッシュ、高炉スラグ、シリカヒューム)の特性と利用上の留意点を重視しました。特に、再生骨材の品質と課題セメント水和熱、および環境負荷低減に資する材料の知識は不可欠です
セメント組成化合物(など)の特性、混和材のポゾラン反応/潜在水硬性、再生骨材の吸水率増加傾向、高炉スラグ使用時の中性化傾向、高性能AE減水剤とスラッジ水の関係、セメント貯蔵の上限数(13袋以下)など
II. 施工・各種コンクリート (Q11~Q25)
**品質を直接左右する施工の基本(打込み・締固め・養生)**と、初期欠陥(ジャンカ、コールドジョイント、温度ひび割れ)の防止対策を重点的に取り上げました。また、暑中・寒中コンクリートの具体的な時間制限 や、高流動コンクリートの特徴と側圧への配慮 など、実務的な知識も組み込みました
コールドジョイントの定義と影響(鉄筋腐食の増進)、暑中コンクリートの打込み時間(1.5時間以内)、マスコンクリートの温度ひび割れ対策(低熱セメント類の使用)、締固めの基本(下層へ10cm挿入)、再振動の適切な時期(打終わりから15~60分かつ練混ぜから90/120分以内)
III. 維持管理・耐久性・試験 (Q26~Q35)
耐久性の三大劣化要因(中性化、塩害、ASR)非破壊検査 の知識は主任技士に必須です。特に中性化の進行式 や、鉄筋腐食が最も起こりやすい部位(干満帯・飛沫帯)中性化深さの測定試薬(フェノールフタレイン) など、具体的な知識を問う設問を含めました。
塩害対策(W/C低減)、中性化の進行式 、非破壊試験(反発度法の短所)、AE法(リアルタイムひび割れ検出)
IV. 配合・品質管理・その他 (Q36~Q40)
JIS規格の数値データ品質保証の考え方(性能規定化)、およびコスト削減と生産性向上 に関する知識を問う問題を配置しました。
舗装コンクリートのスランプ規格値(2.5cm, 6.5cm)、性能規定の特徴(自由度が高い)、レディーミクストコンクリートの受入れ検査項目、生産性向上のための構造単純化によるコストメリット(労務費削減)

2. 近年の重要テーマ(小論文テーマ)への対応

コンクリート主任技士試験では、択一式だけでなく、**「持続可能な社会の貢献」**を最重要テーマとする記述式(小論文)が合否に大きく影響します。小論文の出題傾向は、主に以下の3項目に集中していると分析されています
問題作成においては、これらの重要テーマに関連する具体的な技術や知識を組み込み、択一式を通じて小論文のキーワード対策も同時に行えるように意図しました。
1. コンクリート分野における環境負荷低減
    ・再生骨材や混和材(高炉スラグ、フライアッシュ)の利用と課題(Q2, Q3, Q9, Q10, Q37)。
    ・セメント製造時の二酸化炭素排出抑制に関する知識
2. コンクリート構造物の耐久性向上
    ◦ 劣化機構(塩害、中性化、凍害)と設計・施工対策(Q2, Q4, Q5, Q26, Q27, Q28, Q32)。
    ・初期欠陥(コールドジョイントなど)が耐久性に与える影響(Q11, Q24)。
3. コンクリート構造物の現場施工における生産性向上
    ・高流動コンクリートや流動化コンクリートなど、省力化に資する技術(Q18, Q19, Q21, Q25)。
4. 法令・基準(JIS、標準示方書)に基づく正確な知識の確認
主任技士試験は、JISやコンクリート標準示方書の内容の理解と応用が求められるため、問題の多くはこれらの基準に則った具体的な数値やルールに関するものです。
JIS規格の具体的な数値:舗装コンクリートのスランプ規格(Q36)、細骨材の定義(Q8)
施工標準:セメント貯蔵の積重ね数(Q7)、打込み1層の高さ(Q15)、運搬・打込み時間(Q12)
これらの観点に基づき、実務経験者としての応用力と、高度な専門技術者としての深い知識の両方を試すことができるように問題を作成しました。
では、皆さんのお待ちかねの40問を出題致します。あくまでも私が必要だろうと思う40問です。答えも直ぐ下に解答していますので、じっくり読みながら解答するのも良し、答えを見て、知見を深めるのも良し、だと思います。

コンクリート主任技士試験 予想問題 40問(四肢択一形式)

I. 材料(10問)

Q1. ポルトランドセメントの組成化合物の一つであるアルミン酸三カルシウム()に関する記述として正しいものはどれか。
A. 水和反応速度が非常に早く、水和熱が大きい傾向がある。
B. 長期強度(28日以降)の発現に主に寄与する。
C. 水和熱が小さく、耐硫酸塩性に優れる。
D. 28日以内の強度発現に主に寄与するが、水和熱は小さい。
Q2. 高炉セメントの使用が、コンクリートの塩害対策に有効とされる主な理由として正しいものはどれか。
A. 潜在水硬性を有する高炉スラグ微粉末がコンクリートを緻密化し、その水和物が塩化物イオンを固定化する効果があるため。
B. 未燃焼カーボンが多く、AE剤の吸着を防ぐため。
C. 高い水和熱により、初期強度を早期に発現させるため。
D. アルカリ総量が普通セメントよりも高いため、中性化を強く抑制するため。
Q3. 再生骨材の品質区分に関するJISの規定において、一般的に低品質な再生骨材(Lなど)に多く見られる傾向として正しいものはどれか。
A. 骨材周りにモルタル分が付着しているため、吸水率が高くなり、単位水量が増加する傾向がある。
B. 骨材の形状が緻密であるため、単位セメント量を低減できる。
C. 付着モルタル分により、乾燥収縮が著しく小さくなる。
D. 粒度が安定しており、ワーカビリティーへの影響が少ない。
Q4. シリカヒュームを使用したコンクリートの特徴および使用上の留意点に関する記述として不適当なものはどれか。
A. ポゾラン反応が初期に起こり、フライアッシュや高炉スラグ微粉末よりもさらに緻密な生成物が生じる。
B. 超微粒子であるため、コンクリート中に均一に分散させるために高性能AE減水剤の使用が必要となる。
C. シリカヒュームはAE剤を吸着することがあるが、コンクリートの緻密化による水分移動の制限と相まって、耐凍害性の低下が懸念される。
D. ブリーディング量が多く、沈下ひび割れ対策が必要となる。
Q5. 高炉スラグ微粉末を混和材として使用した場合のコンクリートの長期的な性質に関する記述として、留意すべき点は何か。
A. 中性化は、一般のコンクリートよりやや大きくなることが指摘されている。
B. アルカリ骨材反応を促進するため、対策が必要となる。
C. 長期的な強度増進効果は期待できず、長期材齢管理ができない。
D. 養生温度が低いと水和熱が大きくなりすぎる場合がある。
Q6. 高性能AE減水剤を使用する際の、スラッジ水に関する留意点として正しいものはどれか。 A. スラッジ水を使用した場合、高性能AE減水剤の使用量が増加する恐れがある。
B. スラッジ水は骨材として再利用できるため、単位水量の調整は不要である。
C. 固形分率が3%以下であれば、高性能AE減水剤の使用量に影響はない。
D. スラッジ水中の固形分が凝結を遅延させるため、凝結遅延剤の添加は禁止される。
Q7. 袋詰めセメントの貯蔵に関するコンクリート標準示方書(施工編)の内容として、下部の固結防止の観点から望ましいとされる積重ねの上限数は何袋か。
A. 13袋以下
B. 10袋以下。
C. 15袋以下。
D. 20袋以下。
Q8. コンクリート用骨材のうち、細骨材の定義として最も適切なものはどれか。
A. 10mmふるいを全て通過し、5mmふるいを85%以上通過する粒子。
B. 5mmふるいに85%以上とどまる粒子。
C. 10mmふるいに75%以上とどまる粒子。
D. 20mmふるいを全て通過し、5mmふるいを95%以上通過する粒子。
Q9. 高品質の再生骨材を製造する際の、コスト面における課題として挙げられるものは何か。 A. 副産物として発生する粉体分(セメント水和物の粉、骨材の粉体)の有効利用が図られておらず、その処分に多額の費用が必要となること。
B. 再生骨材の吸水率が低すぎるため、コンクリートの練り混ぜ水量を増やさなければならないこと。
C. 製造設備が複雑化し、天然骨材に比べて輸送費が著しく高くなること。
D. アルカリ骨材反応を強く促進するため、高性能のASR抑制材を添加する必要があること。
Q10. 近年のフライアッシュの品質に関する一般的な傾向として、正しいものはどれか。
A. 公害防止による燃焼温度の抑制により、フライアッシュに含まれる未燃焼カーボン量が増える傾向にある。
B. 品質基準が厳格化され、未燃焼カーボン量が著しく減少している。
C. 粒度が粗くなり、ポゾラン反応の進行が早くなっている。
D. ポゾラン反応性が失われ、長期強度の増進効果が低下している。

II. 施工・各種コンクリート(15問)

Q11. コールドジョイントの定義として最も適切なものはどれか。
A. すでに打ち込まれたコンクリートの凝結がすすみ、その上に新たにコンクリートを打ち重ねる場合に一体とならない継目のこと。
B. 鉄筋等でスクリーニングされて締固めが不十分なときに発生する、粗骨材が多く集まった空隙の多い箇所。
C. セメントの水和熱に起因し、部材内の温度差や外部拘束応力によって生じるひび割れ。
D. ブリーディングによる水の上昇に伴い、沈下が拘束されて発生するひび割れ。
Q12. 暑中コンクリート(日平均気温25℃を超える時期)の施工において、練り混ぜ開始から打ち込み終了までの時間として標準とされるものは何か。
A. 1.5時間以内
B. 2.0時間以内。
C. 90分から120分以内。
D. 2.5時間以内。
Q13. 寒中コンクリートの材料加熱に関する規定として正しいものはどれか。
A. 加熱したセメントを使用すると急結を起こすリスクがあるため、セメントの加熱は禁止されている。
B. セメントは品質低下を防ぐため、50℃以下であれば加熱して使用してもよい。
C. 骨材は直火で加熱してはならないが、水は40℃を超えてもよい。
D. 強度発現を促進するため、早強ポルトランドセメントの使用は禁止されている。
Q14. マスコンクリートの温度ひび割れ対策として、水和熱低減の観点から使用が推奨されるセメントの種類として正しいものはどれか。
A. 低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント。
B. 普通ポルトランドセメントおよび早強ポルトランドセメント。
C. 超早強ポルトランドセメントおよび耐硫酸塩ポルトランドセメント。
D. シリカセメントおよび低アルカリポルトランドセメント。
Q15. コンクリートの打込み作業における、1層の高さとして標準とされるものはどれか。
A. 40~50cm以下
B. 30cm以下。
C. 60cm以下。
D. 80cm以下。
Q16. 棒状バイブレータを用いたコンクリートの締固めにおいて、上下層を一体化させるために下層のコンクリート中に挿入する深さの目安はどれくらいか。
A. 10cm程度
B. 5cm程度。
C. 20cm程度。
D. 30cm程度。
Q17. コンクリートの再振動を行う際の実施時期に関する標準的な目安として正しいものはどれか。
A. 打終わりから15分~60分程度で、練り混ぜ開始から120分以内(気温が25℃を超える場合は90分以内)。
B. 練り混ぜ開始から180分以内であれば、打終わり時間に関わらずいつでもよい。
C. 打終わりから6時間以内、かつ、練り混ぜ開始から240分以内。
D. 打終わりから120分以降で、凝結終結時間までに行う。
Q18. 高流動コンクリートの特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。
A. 締固め不要の自己充填性を有し、複雑な形状や過密配筋の構造物にも密実に充填できる。
B. 締固めが必要であるが、流動性が高いため型枠側圧は普通コンクリートより低下する。
C. 締固めは必須であるが、ポンプ圧送時の管内圧力損失は普通コンクリートよりも小さい。
D. 単位水量が少なく設計されるため、自己収縮ひずみは普通コンクリートよりも小さい。
Q19. 高流動コンクリートは、分離抵抗性を付与する方法により、主に3つの系統に大別される。その分類として正しいものはどれか。
A. 粉体系増粘剤系併用系
B. 高強度系、早強系、低発熱系。
C. 低収縮系、再生材系、環境貢献系。
D. 水中不分離系、繊維補強系、自己治癒系。
Q20. 水中不分離性コンクリートの施工上の留意点として、水中落下高さの制限はどの程度か。 A. 50cm以下
B. 1.0m以下。
C. 1.5m以下。
D. 2.0m以下。
Q21. 流動化コンクリートに関する記述として、圧縮強度に関する事項で正しいものはどれか。 A. 圧縮強度は、通常のコンクリートと変わらない
B. 流動化剤の作用により、通常コンクリートよりも圧縮強度が10%以上増大する。
C. 流動化により単位セメント量が増加するため、圧縮強度が大幅に向上する。
D. スランプが増大するため、通常コンクリートよりも圧縮強度が低下する。
Q22. 舗装コンクリートの品質管理において、特に重要視され、管理指標として用いられる強度として正しいものはどれか。
A. 曲げ強度(4.5N/mm²)で管理する。
B. 圧縮強度(50N/mm²)で管理する。
C. 引張強度(3.0N/mm²)で管理する。
D. 支圧強度で管理する。
Q23. 鉄筋コンクリート構造物の施工において、かぶり厚を確保するためにスペーサーを配置する際の目安として、側面の配置はどの程度が目安となるか。
A. 2個/m²以上
B. 1個/m²以上。
C. 3個/m²以上。
D. 4個/m²以上。
Q24. コールドジョイントが鉄筋コンクリート構造物に発生した場合に懸念される最も大きな影響は何か。
A. コールドジョイントを通じてコンクリート中の鋼材の腐食を増進させることが懸念される。 B. 部材内の温度差に伴う内部拘束応力を増加させ、初期ひび割れが拡大する。
C. コンクリートの凝結が遅延し、所定の強度発現が困難となる。
D. トンネルライニングに発生した場合と同様に、剥離による第三者障害に直結する。
Q25. 高流動コンクリートの施工における、型枠に作用する側圧の計算上の留意点として正しいものはどれか。
A. 安全サイドの配慮から、コンクリート全体を液圧として考慮する必要がある。
B. 流動性が高いため、側圧は普通コンクリートの1/2として計算できる。
C. 塑性粘度が高いため、側圧は普通コンクリートと同等としてよい。
D. 自己充填性があるため、静的な水圧として計算するが、打上がり速度の影響は無視できる。

III. 維持管理・耐久性・試験(10問)

Q26. コンクリートの中性化の進行を表す式として正しいものはどれか。
A. (:中性化速度係数、:時間)。
B.
C.
D.
Q27. コンクリートの塩害対策として有効な方法として正しいものはどれか。
A. 水セメント比を小さくする(コンクリートの組織を緻密化し、塩化物イオンの侵入を抑制する)。
B. 単位セメント量を減らし、中庸熱セメントを使用する。
C. 単位水量を増加させ、ワーカビリティーを向上させる。
D. 粗骨材の最大寸法を大きくし、鉄筋の最小あきを広くする。
Q28. 海洋コンクリート構造物において、海水の作用と酸素供給が積極的に行われるため、最も鉄筋腐食を受けやすい部位はどこか。
A. 干満帯や飛沫帯
B. 常時海面下にある部分(海中帯)。
C. 海面より十分に高い位置にある部分(大気中)。
D. 海底の地盤面下にある部分。
Q29. コンクリートの強度推定に用いられる非破壊試験方法の一つ、反発度法(シュミットハンマー)の短所として最も適切なものはどれか。
A. コンクリート表面の状態に測定値が大きく影響を受ける。
B. 局部的に破壊するため、構造物の健全性を損なう。
C. 波の干渉により測定が困難になることがある。
D. 放射線防護のための安全管理が必要となる。
Q30. ひび割れ発生時に発生し伝播する弾性波を検出する方法で、リアルタイムにひび割れを検出できる非破壊試験方法は何か。
A. アコースティック・エミッション(AE)法
B. 自然電位法。
C. 電磁波レーダ法。
D. 赤外線法。
Q31. コンクリートの中性化深さの測定に一般的に用いられる試薬はどれか。
A. 1%濃度のフェノールフタレイン溶液
B. 塩化銀溶液。
C. チオシアン酸アンモニウム溶液。
D. 炭酸カルシウム飽和水溶液。
Q32. コンクリートの耐凍害性を評価する凍結融解試験(JIS A 1148)において、評価指標として測定されるものは何か。
A. 相対動弾性係数(および耐久性指数、質量減少率)。
B. 圧縮強度。
C. ポアソン比。
D. クリ―プ係数。
Q33. コンクリート構造物の維持管理手順のうち、日常点検では発見しづらい劣化や損傷を調査するために行う「定期点検」の一般的な間隔はどれくらいか。
A. 5年や10年など比較的長期の間隔。
B. 1年に1回以上。
C. 異常事態が発生した時点。
D. 30年ごとに一度。
Q34. 硬化コンクリートの強度に関する記述として、最も適切なものはどれか。
A. 圧縮強度は、他の強度(引張強度、曲げ強度、せん断強度)の推定に利用される最も代表的な強度であり、他の強度に比べて最も大きな値を示す。
B. 圧縮強度は、疲労限度(200万回疲労強度)の約55~65%である。
C. せん断強度は圧縮強度と引張強度の和に比例して決まる。
D. 引張強度は、圧縮強度に比べて著しく大きく、設計に主に用いられる。
Q35. 温度ひび割れや乾燥収縮ひび割れの発生が予想される場合の設計上の対策として有効なものは何か。
A. 用心鉄筋でひび割れ幅を小さくする方法や、ひび割れ誘発目地を用いて発生位置を制限する方法。
B. 単位セメント量を大きくし、水和熱を増大させる。
C. プレキャスト型枠の使用を避け、打設時の拘束力を最大化する。
D. 高性能AE減水剤を使用せず、ブリーディングを促進させる。

IV. 配合・品質管理・その他(5問)

Q36. JIS A 5308に規定される、舗装コンクリートのスランプの規格値として正しいものはどれか。
A. 2.5 cm, 6.5 cm
B. 8 cm, 12 cm, 15 cm。
C. 18 cm, 21 cm。
D. 50 cm, 60 cm。
Q37. コンクリート構造物の品質保証における性能規定の特徴に関する記述として、正しいものはどれか。
A. 設定した構造物の挙動を予測し、その結果が要求目的を満足することを定量的に客観的に示すためのものであり、設計・施工方法が限定されず自由度が高い
B. 構造物全体の挙動ではなく、個々の断面チェックを主な検討対象とする。
C. 性能(結果)ではなく、材料選定や配合といったプロセス(仕様)の遵守を重視する。
D. マニュアルに従い、技術者の経験や応用力を排除することを基本とする。
Q38. レディーミクストコンクリートの受入れ検査において、検査項目の一例として挙げられているものは何か。
A. 強度、スランプ、空気量、塩化物含有量など。
B. 絶乾密度、粗粒率、吸水率、および膨張率。
C. 圧縮クリープひずみ、熱膨張係数、および動弾性係数。
D. 骨材のアルカリシリカ反応性、セメントの安定性、および未燃焼カーボン量。
Q39. JIS A 6204に規定される高性能AE減水剤以外の混和剤(流動化剤など)を用いて流動化コンクリートを製造する場合、流動化後15分後のスランプの経時変化量の上限値はどれくらいか。
A. 4.0 cm以下
B. 1.0 cm以下。
C. 2.0 cm以下。
D. 5.0 cm以下。
Q40. コンクリート構造物の現場施工における生産性向上策の一つとして、構造物形状の単純化が提案されている。この単純化のために材料費が増加したとしても、ある一定規模以下の構造物であればコスト的に有利となる根拠は何か。
A. 労務費の削減
B. プレキャスト化による運搬費用の低減。
C. 高流動コンクリートの使用による型枠費用の低減。
D. 単位水量の削減によるコンクリート単価の低減。

解  答

コンクリート主任技士試験 予想問題 40問 解答一覧
問題番号
正解の選択肢
根拠となる知識
I. 材料 (Q1-Q10)
Q1
A
アルミン酸三カルシウム()は水和反応速度が非常に早く、水和熱が大きい
Q2
A
高炉スラグ微粉末の水和物は塩化物イオンを固定化する効果があり、コンクリートを緻密化するため塩害対策に有効である
Q3
A
再生骨材は付着モルタル分により吸水率が高くなり、所要のワーカビリティーを確保するために単位水量が増加する傾向がある
Q4
D
シリカヒュームはブリーディング量が少ないという特徴を持つ
Q5
A
高炉スラグ微粉末を使用した場合、中性化は一般のコンクリートよりやや大きくなることが指摘されている
Q6
A
スラッジ水を使用した場合、高性能AE減水剤の使用量が通常よりも増加する
Q7
A
袋詰めセメントの貯蔵において、下部の固結防止の観点から積重ねの上限は13袋以下とするとよい
Q8
A
細骨材は10mmふるいを全て通過し、5mmふるいを85%以上通過する粒子である
Q9
A
高品質の再生骨材を製造する際、副産物として発生する粉体分の有効利用が図られておらず、その処分に多額の費用が必要となる
Q10
A
公害防止による燃焼温度の抑制により、フライアッシュに含まれる未燃焼カーボン量が増える傾向にある
II. 施工・各種コンクリート (Q11-Q25)
Q11
A
コールドジョイントは、すでに打ち込まれたコンクリートの凝結がすすみ、新たに打ち重ねる場合に一体とならない継目をいう
Q12
A
暑中コンクリート(日平均気温25℃を超える時期)では、練り混ぜ開始から打ち込み終了までの時間は1.5時間以内が標準とされる
Q13
A
寒中コンクリートにおいて、加熱したセメントを使用すると急結を起こし品質不具合を起こすリスクがあるため、セメントの加熱は禁止されている
Q14
A
マスコンクリートの温度ひび割れ対策として、水和熱低減の観点から中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメントの使用が推奨される
Q15
A
コンクリート打込みの1層の高さは、材料分離を生じさせないため40~50cm以下を標準とする
Q16
A
棒状バイブレータは、上下層を一体化させるために下層のコンクリート中に10cm程度挿入する
Q17
A
再振動の実施時期の目安は、打終わりから15分~60分程度で、練り混ぜ開始から120分以内(気温25℃超の場合は90分以内)とされる
Q18
A
高流動コンクリートは、締固め不要の自己充填性を有し、過密配筋部にも密実に充填できる
Q19
A
高流動コンクリートは、分離抵抗性を付与する方法により、粉体系増粘剤系併用系の3つに大別される
Q20
A
水中不分離性コンクリートの水中落下高さの制限は、ソースには記載がないものの、一般的な水中コンクリートの施工において、打込み深さの管理が重要であるため、他の選択肢に明確な根拠が見当たらないため、ここでは水中コンクリートの施工上の一般的な制限である50cm以下を採用する。
Q21
A
流動化コンクリートの圧縮強度は、通常のコンクリートと変わらない
Q22
A
舗装コンクリートの管理指標として、曲げ強度(4.5N/mm²)が用いられる
Q23
A
かぶり厚を確保するためのスペーサーの配置は、側面2個/m²以上が目安とされる
Q24
A
コールドジョイントが鉄筋コンクリート構造物に発生した場合、コールドジョイントを通じてコンクリート中の鋼材の腐食を増進させることが懸念される
Q25
A
高流動コンクリートの施工において、型枠に作用する側圧の計算では、安全サイドの配慮からコンクリート全体を液圧として考慮する必要がある
III. 維持管理・耐久性・試験 (Q26-Q35)
Q26
A
中性化の進行は、時間の平方根に比例する で表されることが、コンクリート主任技士試験の知識体系の前提にある
Q27
A
塩化物イオンの侵入はコンクリートの組織が緻密なほど抑制できるため、水セメント比を小さくすることが有効な塩害対策となる
Q28
A
海洋コンクリート構造物において、干満帯や飛沫帯は海水の供給と酸素供給が積極的に行われるため、最も鉄筋腐食を受けやすい部位である
Q29
A
反発度法(シュミットハンマー)は、試験が簡便である一方、コンクリート表面の状態に測定値が大きく影響を受けるという短所がある
Q30
A
ひび割れ発生時に発生し伝播する弾性波を検出し、リアルタイムにひび割れを検出できるのはアコースティック・エミッション(AE)法である
Q31
A
コンクリートの中性化深さの測定には、1%濃度のフェノールフタレイン溶液が一般的に用いられる
Q32
A
凍結融解試験(JIS A 1148)の評価指標として、相対動弾性係数が測定される
Q33
A
日常点検では発見しづらい劣化を調査する「定期点検」は、5年や10年など比較的長期の間隔で行われる
Q34
A
圧縮強度は、他の強度に比べて最も大きな値を示し、他の強度や性質の推定に利用される最も代表的な強度である
Q35
A
温度ひび割れや乾燥収縮ひび割れの発生予想時の設計対策として、用心鉄筋でひび割れ幅を小さくする方法や、ひび割れ誘発目地を用いて発生位置を制限する方法が有効である
IV. 配合・品質管理・その他 (Q36-Q40)
Q36
A
JIS A 5308に規定される舗装コンクリートのスランプの規格値は、2.5 cmと 6.5 cmである
Q37
A
性能規定の特徴は、要求目的を定量的に客観的に示し、目標達成のための設計・施工方法が限定されず、自由度が高い点にある
Q38
A
レディーミクストコンクリートの受入れ検査項目の一例として、強度、スランプ、空気量、塩化物含有量などが挙げられる
Q39
A
流動化コンクリートを製造する場合、流動化後15分後のスランプの経時変化量の上限値は、ソースに具体的な数値の記載がないため、一般知識に基づきここでは4.0 cm以下とする。
Q40
A
構造物形状の単純化により材料費が増加しても、一定規模以下の構造物であれば、労務費の削減によりコスト的に有利となる
以上、40問でした。
試験まであと残り1週間です。最後まで頑張って頂きたいと思います。では。
過去問出題傾向

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