こんにちは。ポッキーです。
本日は、コンクリート工学誌2023年12月号の記事で私が注目したことについて、書いていこうと思います。
生産性の向上について
それでは、生産性の向上についてです。
どういったことで生産性を向上させるかですが、それは、「スランプフローで管理するコンクリートを使用する」というもです。つまり高流動コンクリートです。高流動コンクリートを使用するメリットはというと、自己充填性が向上する。ことです。それは、バイブレータを使用することなく充填できるということです。デメリットは、型枠にかかる側圧が増加することです。そのため、より堅固な型枠構造にする必要があるわけです。
ここでは、どちらもバイブレータを使用していますが、高流動コンクリートで施工する側は、締め固め時間や、間隔などは指示せず行ったというものでした。供試体全体の寸法は、5m(幅)×2.3m(奥行)×3.0m(高さ)で、厚みは約400㎜のスリットケーソンをイメージしたものです。もちろんしっかり鉄筋も配置されています。打設方法は、ポンプ車を使用しています。配合は、普通用:30-12-20BB、高流動:30-45-20BBになります。
結論としては、品質的には、普通用と比べてもほぼ同等という結果でしたが、想定通り、バイブレータ稼働時間の60~73%、移動距離は37%低減という結果でした。しかし単価は、35%増となっています。
以上を踏まえると、バイブレータ作業員の移動距離や、バイブレータの稼働時間はかなり低減できることから、建設現場の省力化および省人化においては、生産性が向上したと考えることができます。
この内容もコンクリート主任技士の論文で記述できる対策と考えます。
環境負荷低減について
次は、環境負荷低減についてです。
ポリプロピレン短繊維を含有させたコンクリートおよびモルタルの使用が環境負荷低減につながるというものです。この論文で改めて感じたのは、もっと活用できるのではないかと言うことです。コンクリートに繊維を含有させることで、ひび割れの抑制が可能であることは既に知られていますが、同時に用心鉄筋を省略できるということについてはあまり意識していなかったからです。確かに土間コンについては、用心鉄筋がよく使用されるいることが多いように感じています。もし用心鉄筋ではなく繊維を使用することで、配筋を設置する手間を省人化させるとともに、それぞれに製品を製造するときに排出されるCO2量の低減を可能として、カーボンニュートラルに向けた取り組みに繋がります。
一方で課題もあります。使用後のドラムなどの洗浄した水の処理方法の対応です。現状かかる費用については、施工業者の負担になっているということでした。加えて、残コン、戻りコンおよび解体コンの処理は、路盤材などにはあまり使用させていないことを知り今後の検討材料であることを感じました。
コンクリート診断士取得に向けた情報
最後は、コンクリート診断士取得に向けた情報です。
極低温に曝されるコンクリートの背景と特定について、共有致します。共有したいと思ったのは、あまり‐120℃の状況下のコンクリートの特定をご存じないのではないかと思ったからです。この記事では、液化天然ガスが漏洩した場合、内槽コンクリートであったとしたらどんな影響があるかを把握しておく必要があるのではないかというものです。このような極低温状態に曝されたコンクリートの文献は少ないのだそうです。
なので、特性を知っておくことも重要と考えましたので、箇条書きでお知らせ致します。
①線膨張係数の観点から粗骨材には石灰岩骨材よりも火山岩系骨材の方が、LNGタンクの内槽に用いられる9%ニッケル銅や炭素鋼に近づくため、よい。
②圧縮強度は、極低温状態は圧縮強度が増加する。また、引張強度も圧縮強度よりも明確ではないが、増加する傾向を示している。
③ヤング係数は、セメントペースト中の個体量が多いほどヤング係数は大きくなることから、極低温では、細孔への氷の充填によりヤング係数は向上するものと推察される。
④鉄筋との付着強度は、極低温-120℃以下では、氷の多型変化や強度増加により大きくなる。
⑤熱伝導率は、極低温に関わらず飽和したコンクリート>50%湿潤したコンクリート>乾燥したコンクリートの順番である。水が増加すると熱伝導率が増加する。
本日は以上です。
2023年も後わずかになりました。皆さんよいお年お迎えください。
資格取得の準備は早ければ早い方が間違いなく有利です。まずは、時間を確保することを考えてみて下さい。
よかったら、11月号も読んでみて下さい。
【コンクリート工学2023年11月号】診断士取得に必要なことを紹介
【コンクリート工学2024年1月号】重要!主任技士・診断士の方へ
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