ChatGPTにコンクリート診断士過去の記述式を本気で解かせてみた。果たして「合格答案」になるのか?
こんにちは、ポッキーです。
最近、コンクリート診断士の勉強をしている方にとって、ものすごく便利な時代になりました。
分からないことがあれば、ChatGPTに聞けばいい。
「コンクリートの中性化について説明して」
と聞けば、かなり分かりやすく説明してくれます。
さらに、
「コンクリート診断士の記述式問題の模範解答を作って」
とお願いすれば、数秒でそれらしい文章まで作ってくれます。
では、ここで一つ疑問があります。
その答案、本当に試験で通用するのでしょうか?
今回は、この疑問を確かめるために、2025年コンクリート診断士記述式問題を題材にして、AIに答案を作らせてみました。
そして、その答案を私、ポッキーが見てみます。
先に言っておきます。
私はAIを否定するつもりはありません。
むしろ、AIは勉強にどんどん使えばいいと思っています。ただし、AIに答案を書かせること と、自分で「この答案でいい」と判断できることは、全く別の話です。
今回の記事では、そこを掘り下げます。
現在の構想では第9話までを考えています。これからの時代は如何に生成AI活用して効率化することが求められます。実際、受験者の方の多くは、生成AIを活用していることと思います。しかし一方では、生成AIの文章が本当にいい解答なのかも疑問視している方も多いのではないかと思います。
このシリーズではそう言った検証をPochyが皆さんの替わりに実践していこういうものです。私は、生成AIを否定しているわけではありません。むしろもっと活用していかなければならないと感じています。
生成AIをどのように活用すればいいのか。これから私が提案していこうと思います。
下のような感じで考えていますので、お楽しみ!!シリーズ化の全体像【第1話】
AIに解かせる
↓
【第2話】
AI答案を赤ペン
↓
【第3話】
弱点を見抜く
↓
【第4話】
答案を細かく診断
↓
【第5話】
実戦問題①
↓
【第6話】
実戦問題②
↓
【第7話】
原因と対策
↓
【第8話】
初見問題への応用
↓
【第9話・実戦編】
問題を解く
今後の勉強方法について
コンクリート診断士の記述式対策では、「模範解答を覚える」という勉強をしている人も多いと思います。
でも、私はそれだけでは不十分だと考えています。
記述式で本当に必要なのは、初めて見る問題に対して、自分で答案を組み立てる力です。
問題文から必要な情報を拾い、劣化原因を考え、劣化機構を推理する。そして、現在の状態から将来を予測し、原因に合った対策を考えて、最後に文章にまとめる。
実は、答案を書くまでには、これだけの「思考」があります。
ところが、通常の解説では完成した「模範解答」だけが示され、その答えにたどり着くまでの考え方は、あまり説明されません。
そこで今回のシリーズでは、「答え」ではなく「答えを作る過程」に焦点を当てます。
さらに今は、ChatGPTなどのAIを使えば、もっともらしい答案を簡単に作れる時代です。
だからこそ、AIが作った答案を自分で診断し、「この答案は本当に問題に答えているのか?」を判断する力も重要になります。
この9話を通して、私が実際に問題をどう読み、どう考え、どう答案にしているのかを、一つずつ見ていきます。
目指すのは、答えを覚えることではありません。
「初めて見る問題でも、自分で答案を組み立てられる力」を身につけることです。
2025年の記述式問題をAIに解かせてみる
2025年の記述式問題Ⅱでは、東北地方山間部に位置する道路橋の橋台が題材となりました。
A部とB部に変状があり、
- A部の原因を推定
- 5年後の状態を予測
- 今後20年間供用するための対策を提案
という流れで解答する問題でした。
しかも、単に劣化現象を答えるだけではありません。
「その理由」
まで説明する必要があります。
さらに問3では、A部・B部それぞれの変状原因との関係を明記することまで求められています。
つまり、知識だけでは足りません。
問題文に書かれている情報を拾って、
原因
↓
現在の状態
↓
将来予測
↓
対策
とつなげる必要があります。
では、ChatGPTに解かせます
AIには、できるだけ普通の受験生が使いそうな指示を出します。
「あなたはコンクリート診断士です。2025年の記述式問題について、問題文の条件を踏まえ、1000字以内で問1~問3の模範解答を作成してください。技術的に妥当な内容とし、各設問の理由も具体的に記述してください。」
そして、AIに答案を作らせます。
【AIが作成した答案】
※ここで実際のAI答案を掲載します。
問1
A部の変状原因として、凍結融解作用と水の浸入が大きいと推定する。
その理由は、東北地方の山間部に位置しており、冬季の寒冷な環境によって凍結融解作用を受けやすいためである。また、橋面からの雨水等がA部に浸入・滞留することで、コンクリート内部の含水状態が高くなり、凍結融解作用が繰り返されることで表面劣化が進行したと考えられる。
問2
5年後には、A部では凍結融解作用による表面劣化が進行し、ひび割れや剥離・剥落が発生する可能性がある。また、水の浸入が継続することで鉄筋腐食が進行し、鉄筋に沿ったひび割れが発生する可能性がある。
B部については、ASRによるひび割れが継続するとともに、水分の供給によって反応が進行し、ひび割れ幅の増大や鉄筋腐食につながる可能性がある。
問3
今後20年間供用するためには、A部では劣化したコンクリートを除去して断面修復を行い、鉄筋腐食が認められる場合には防錆処理を行う。また、表面被覆や防水対策によって水の浸入を抑制する。
B部では、ASRの進行を抑制するため、水分の浸入を防止する表面被覆等を行う。また、ひび割れ部について適切な補修を行い、補修後も定期的な点検を実施して劣化の進行を確認する。
……どうでしょうか?
おそらく、読んだ方の中には、「普通に良くない?」と思った方もいるでしょう。
私もそう思います。
かなりそれらしい答案です。
だからこそ、今回の実験は面白いんです。AIを馬鹿にする必要はありません。
むしろ、
「これ、かなり危ないところまで来ているな」
と私は思いました。
では、ポッキーはこの答案をどう見るか?
ここからが本題です。
私は、AI答案を「正解か不正解か」だけでは見ません。
私が見るのは、
「問題文に対して、答案がきちんと答えているか?」
です。
チェック① 原因と現象が混ざっていないか?
AIは問1で、
「凍結融解作用と水の浸入が大きい」
としています。
方向性としては理解できます。しかし、ここで一度立ち止まります。
問題文には、
「影響度の大きいものを2つ推定し、その理由を述べなさい」
とあります。
ここで大切なのは、何が劣化を進行させたのか を、問題文の情報と結び付けること。
「凍結融解です」「水です」
だけでは、まだ説明が足りません。
では、問題文をもう一度見てみます
2025年問題では、
- 東北地方山間部
- 冬季の環境
- 橋面からの水の影響
- 構造上、水が集まりやすい条件
- A部の変状
などの情報が与えられています。
ここで私は、
「なぜ、この場所で、この変状が発生したのか?」
と考えます。
これが重要です。
「劣化原因を当てる」のではありません
ここ、受験生の皆さんにはぜひ覚えてほしいです。
記述式では、
凍害だから凍害と書く。
ではありません。
そうではなく、
東北地方山間部
↓
寒冷環境
↓
水が供給される
↓
凍結融解作用
↓
コンクリートの劣化
という因果関係を作る。
これが論文です。
チェック② 「問題文の情報を使っているか?」
私はここをかなり重視します。
AIの文章は一般論としては正しい。
しかし、
「その問題でしか使えない情報」
が十分入っているでしょうか?
ここがポイントです。
例えば、
「東北地方の山間部なので凍結融解作用を受けやすい」
これは問題文の情報を使っています。
しかし、
「なぜA部でその変状が発生したのか?」
まで踏み込むなら、
写真・構造条件・水の経路などと結び付ける必要があります。
実際、私自身の2025年問題の解説でも、単に「凍害」と決めるのではなく、地域・環境・水の影響・構造条件などを一つずつ拾って答案を組み立てています。
チェック③ 問2は「現在→5年後」の流れになっているか?
ここも非常に重要です。
AIは、
「5年後には劣化が進行する」と書いています。
しかし、記述式では、なぜ5年後にそうなるのか? が必要です。
例えば、
現在の劣化状態
↓
劣化因子の作用が継続
↓
劣化が進行
↓
鉄筋腐食
↓
ひび割れ
↓
剥離・剥落
という流れです。
この「途中」が答案の説得力になります。
そして問3
ここはAI答案で特に見てほしいところです。
AIは、
「表面被覆や防水対策を行う」
と書いています。
間違いとは言えません。
でも、
「なぜ、その工法なの?」
が弱い。
例えばA部なら、
水の浸入が劣化を進行させる
↓
水の浸入を抑制する
↓
表面被覆等を選択
という因果関係が必要です。
B部なら、
ASR
↓
水分供給
↓
ASR進行
↓
水分供給抑制
という関係を作る。
2025年問題では、問3そのものが「A部・B部それぞれの変状の発生原因との関係を明記」するよう求めています。
つまり、
工法名を知っていることより、原因と対策をつなげられること
が重要なんです。
ここで私は、AI答案をこう直します
AI答案:
A部では劣化したコンクリートを除去して断面修復を行い、鉄筋腐食が認められる場合には防錆処理を行う。また、表面被覆や防水対策によって水の浸入を抑制する。
↓
Pocky式なら、
A部では、まず劣化したコンクリートを除去し、鉄筋腐食が確認された場合は防錆処理を施したうえで断面修復を行う。さらに、凍結融解作用を助長する水の浸入を抑制するため、表面被覆等による防水対策を行う。これは、既に生じている変状を修復するとともに、劣化因子である水の供給を遮断し、再劣化を抑制するためである。
どうでしょうか。
文章が劇的に難しくなったわけではありません。
違うのは、
「工法名」→「理由」
がつながっていることです。
ここが、私が皆さんに伝えたいことです
ChatGPTは、
文章を作ることができます。
しかも、かなり上手です。
だから、「AIなんて大したことない」 とは言いません。
むしろ逆です。
AIはどんどん使ってください。
ただし、 AIが作った答案をそのまま信じないでください。
重要なのは「答案を見る目」です
コンクリート診断士の記述式で必要なのは、単に、「正しい文章を書く力」
だけではありません。
私は、
①問題文を読む
↓
②キーワードを拾う
↓
③劣化機構を推測する
↓
④根拠を探す
↓
⑤将来を予測する
↓
⑥対策につなげる
↓
⑦文章にする
この順番が大切だと考えています。
これは、現在私が作っている記述式テンプレートの基本的な考え方とも一致しています。
だから、2027年版ではここをさらに強化します
これまでの私の教材は、「どう書けばいいのか」を中心に説明してきました。
これからは、そこにもう一つ加えます。
「なぜ、その答案でいいのか?」
です。
例えば、
AI答案
↓
Pockyチェック
↓
「ここはOK」
「ここは弱い」
「この情報を使った方がいい」
「この表現では原因と現象が混ざっている」
↓
Pocky式答案
という形です。
AIがある時代だからこそ、私はこう考えます
昔なら、模範解答を覚えましょう。でよかったかもしれません。
でも今は違います。
模範解答ならAIが作れます。
だからこそ、
「答えを覚える」のではなく、「答えを作る過程」を身につける。
これが重要だと思います。
まとめ
今回、ChatGPTに2025年のコンクリート診断士記述式を解かせてみました。
率直に言えば、
かなり良い答案が出てきました。
でも、
問題文の情報をどこまで使っているか?
原因と現象が整理されているか?
現在から将来への劣化進行が説明できているか?
対策と原因がつながっているか?
こうした視点で見ると、さらに改善できる部分があります。
そして、この「答案を見る目」は、AIに文章を書かせるだけでは身につきません。
最後に
もしあなたが、「ChatGPTに答案を書かせればいいんじゃない?」
と思っているなら、それでも構いません。
私もAIを使うことには賛成です。
ただ、
「その答案、本当に問題に答えていますか?」
と聞かれたとき、
自分で判断できるようになってください。
それができるようになると、AIは敵ではありません。
強力な勉強道具になります。
私の記述式教材では、ここまで踏み込んで解説しています
単にテンプレートを覚えるだけではなく、
- 問題文から何を拾うのか
- 劣化原因をどう推理するのか
- なぜそのキーワードを使うのか
- 原因と対策をどうつなげるのか
- 過去問ではどこに着目するのか
- 複合劣化の場合はどう考えるのか
を、実際の過去問を使って解説しています。
2026年版では2020~2025年の過去問分析、複合劣化の答案、劣化原因別の模範解答、予想問題まで収録しています。
「答えを覚える」のではなく、「自分で答案を組み立てられるようになりたい」
という方はこちらをご覧ください。

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