こんにちは、ポッキーです。
もう年末ですね。個人的に今年も振り返ってみれば、忙しい日々でした。チェレンジしたこともあり今後の継続的に取り組んでいこうと思っています。
今年最後の記事になります。
コンクリート主任技士の論文についての展望を分析してみましたので受験を考えている方に参考にして頂こうと思います。
コンクリート主任技士の論文についての展望を分析してみましたので受験を考えている方に参考にして頂こうと思います。
2025年のコンクリート主任技士試験、受験された皆様、本当にお疲れ様でした。この試験は合格率が毎年13%前後という、建設業界でも指折りの難関資格です。単に知識があるだけでは通用せず、高度な専門技術者として「計画、管理、指導」ができる資質があるかどうかが、あの180分という短い時間の中で厳しく問われます。
特に合否を大きく左右するのが「記述式(小論文)」です。2025年の出題内容を踏まえ、歴代の傾向を分析すると、2026年に向けて私たちが何を準備し、どう動くべきかが見えてきました。
ブログ読者の皆さんに、2026年合格を勝ち取るための**「戦略的ロードマップ」**を、熱く提案させていただきます。
1. 2025年試験の振り返り:問われたのは「社会課題への適応力」
2025年の論文テーマは以下の2つでした。
• Ⅰ)コンクリート・コンクリート構造物における環境負荷の低減
• Ⅱ)建設分野の労働人口減少下でのコンクリート・コンクリート構造物の品質向上
これを見て、「また環境と生産性か」と思った方もいるかもしれません。しかし、中身はより深化しています。単に「再生骨材を使います」「DXを導入します」という表面的な記述ではなく、「自分の業務において、具体的にどう取り組んだか(あるいは取り組むべきか)」という実務に根ざした論理展開が、これまで以上に強く求められました。
近年の傾向として、2020年に問1(経験)と問2(技術)が統合されて以来、「社会的背景(SDGsやカーボンニュートラル、DX)」と「個人の実務経験」をいかに高い次元でリンクさせるかが最大のポイントになっています。

2. 2026年の出題傾向を予測する:次に来るのは「耐久性の復権」か?
歴代の出題(2013年〜2025年)を俯瞰してみましょう。 主任技士の倫理規程にある「持続可能な社会の構築」を軸として、大きく分けて以下の3テーマがループしています。
1. 環境負荷低減(カーボンニュートラル、資源循環)
2. 耐久性向上(劣化対策、長寿命化、初期欠陥の防止)
3. 生産性向上(i-Construction、DX、省力化、プレキャスト化)
2024年が「気候変動」と「魅力向上(人材)」、2025年が「環境」と「労働人口減少(品質向上)」でした。この流れを汲むと、2026年は「コンクリート構造物の耐久性向上」が本命、あるいは「気候変動(酷暑・厳冬)下での施工管理」が絡んでくる可能性が極めて高いと私は見ています。
なぜなら、日本のインフラ老朽化は待ったなしの状況であり、限られたリソースでいかに構造物を長持ちさせるか(LCCの低減)は、主任技士にとって永遠の、そして喫緊の課題だからです。
3. 2026年に向けて今から取り組むべき「4つの提案」
難関を突破するためには、試験直前の詰め込みでは間に合いません。今から意識すべき具体的な行動を提案します。
① 「正確な数字」を武器にする(定量的記述の習得)
論文において「非常に多い」「大幅な短縮」といった曖昧な表現は説得力を欠きます。
• 「コンクリート製造時のCO2排出量は日本全体の約5%を占める」
• 「建設廃棄物の50%以上はコンクリート塊である」
• 「技能労働者数はピーク時から約3割減少している」
• 「JIS A 5308の運搬時間は1.5時間以内が標準」
このように、**ソースや基準に基づいた「具体的な数字」**を盛り込めるように、今からネタ帳を作っておきましょう。これが採点者に「お、この技術者は根拠を持って仕事をしているな」と思わせるポイントになります。
② 最新の「情報」をアップデートする(JIS改正・指針への感度)
2024年3月にJIS A 5308(レディーミクストコンクリート)が改正されました。 計量誤差の確認ルールや、スラッジ水の取扱い、新材料(CNFなど)の採用など、知識が古いままでは、論文の前提条件でミスを犯す可能性があります。 「5年前の常識は、今の非常識」です。最新のコンクリート標準示方書やJASS 5の改定内容には常にアンテナを張っておいてください。
③ 「耐久性」のメカニズムと対策を実務レベルで整理する
2026年の本命テーマと予測する「耐久性」については、以下の劣化機構と対策を**「設計・施工・維持管理」の3断面**で整理しておく必要があります。
• 中性化: pH低下のメカニズム()と、水セメント比の低減、かぶりの確保。
• 塩害: 不動態被膜の破壊と、高炉セメント(塩化物イオン固定化)の使用、エポキシ樹脂塗装鉄筋。
• アルカリ骨材反応(ASR): 反応性骨材とアルカリ総量規制(3.0kg/以下)、混合セメントの使用。
• 施工時の不具合(初期欠陥): ジャンカ、コールドジョイント、温度ひび割れの発生原因と防止策。
特に、**「初期欠陥が経年劣化を加速させる」**というストーリーは、主任技士の論文として非常に力強いものになります。
④ 「3部構成のテンプレート」を自分の経験で肉付けする
論文の構成は、以下の3部構成が鉄板です。
1. 序論(社会的背景・技術的知見): 「我が国ではカーボンニュートラルが…」「インフラ老朽化が…」といった大きな視点から課題を提示。
2. 本文(業務との関係・具体的な課題): 「私は〇〇の現場で…」「弊社のプラントでは…」と自分の立場を明確にし、直面した課題を書く。
3. 結論(解決策・今後の展望): コンクリート主任技士として、具体的にどう貢献するか(2つの提案など)を述べ、自己研鑽の決意で締める。
今から、自分のこれまでの現場や業務を振り返り、この型に当てはめて**「27〜28行(約800〜1000文字)」の自分専用テンプレート**を3パターン(環境・耐久性・生産性)作っておきましょう。
4. コンクリート主任技士を目指す皆さんへ:合格の先にあるもの
主任技士試験は、合格率13%の壁が示す通り、決して楽な道ではありません。しかし、この勉強を通じて得られる知識は、単なる資格取得に留まりません。
「コンクリート技術の要点(真のバイブル)」を読み込み、過去問を20年分遡って解き、論文で自分の技術的見解を論理的に整理するプロセスそのものが、あなたを**「一歩抜きん出た技術者」**へと成長させます。
主任技士になれば、大規模工事の技術指導や管理を任されるようになり、市場価値は劇的に高まります。年収1,000万円を超えるキャリアも、決して夢ではありません。
2026年の試験まで、まだ時間はあります。 「明日やろうはバカヤロウ」。 今日から一歩、踏み出しましょう。
最新のJIS規格を確認する、一現場の配合計画書をじっくり眺めてみる、あるいは劣化の進んだ構造物を自分の目で観察しに行く。そうした地道な積み重ねが、試験当日の「迷いのない筆致」を生みます。
皆さんがコンクリート主任技士として、日本のインフラを支えるリーダーになる日を楽しみにしています。一緒に頑張りましょう!

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